100回目の告白
「…凛、明日どっかいくか」
「は?」
あたしは顔をしかめて背中をみる。
俊輔は前をみたままだった。
「…明日、普通に学校あるんですけど」
「サボればいーじゃん」
「嫌よ」
あたしはきっぱり言った。
学校でしか玲にあえないのに、休むなんて絶対嫌。
「いいから」
「テストも近いし、絶対嫌」
次のテストは絶対学年トップをとる。
それがあたしのなかの密かな目標だった。
いや、実際は学年トップが目標じゃない。
玲と、名前を並ばせるため。
せめて名前だけでもとなりにいたい。
だから、玲がいない今、あたしはひとりで勉強しなければならない。
玲がいた数学や英語と、玲がいない、ひとりでする数学や英語では明らかに差があった。
わからない、集中できない、さみしい。
それでもなんとかひとりで頑張っている。
定期テストは常に上位。
期末テストでは、廊下に順位がはり出されるので、それのために頑張ろうと思った。
だから、学校をサボるわけにはいかないのだ。
最も一番の理由は玲にあいたいからなのだけれど。
一回、玲にあいたくてあいたくて、だけど、あうのがつらくて学校をサボったことがある。
そのときはあいたすぎて泣いた。
授業は予習していたからわかったものの、サボった一日をひどく後悔した、そんなことがあった。