100回目の告白
「凛」
「…………?」
いつ間にか自転車は止まっていた。
「はーやーくっ」
まだ眠気が覚めないあたし。
俊輔はため息をついて、あたしを持ち上げた。
そしてやわらくてふわふわしたところに寝かせてくれた。
「……いまはおやすみ、お姫様」
確か、そんなことを言ったと思う。
おでこに柔らかい感触があったあと、俊輔はどこかへいってしまった。
『まってよ、玲!』
あたしは真っ白な世界をただひたすら走る。
『何で?怒っちゃったの?凛のこと嫌いになっちゃったの?』
『………………』
『玲は嫌いでも凛はすき!玲がすきなの!』
『……違うよ、凛』
『…………え……?』
『………俺は国の犠牲者だ』
――――国の犠牲者……?
『れ………』
「オラ起きろ凛!!」
「!」
ふとんをはがされ、一気に見開く瞳。
「おーまえほっとくとどんだけでも寝んな~もう昼過ぎてんぞ!」
「……………」
あたしはぼーっとしながら夢のことを考えた。
国の犠牲者……?
「あーあ、メイクもぐちゃぐちゃ~ま、いっか。ソレ練習だし。あ、昼飯テーブルだから移動すっぞ」
そう言ってあたしの手をとり、テーブルまで移動させて、椅子をひいた。
「今日の昼食はサンドイッチにございます。一流のシェフが作ったカツサンドサラダサンドタマゴサンド…ほかにも色々ございます」
一流のシェフ…ねえ…
「アイスティーと一緒にお召し上がりくださいませ」
俊輔はカツサンドをあたしの皿にうつした。
あたしはナイフとフォークでカツサンドを一口サイズにし、食べた。