100回目の告白
…いやだ…いやだ……
…………いや………!
「凛!」
俊輔の大きな声で目が覚めた。
「どうしたんだよ!」
「………え」
あたしの頬は涙でぬれていた。
そっと俊輔はあたしの涙を拭う。
あたりを見渡すと、まだ真っ暗で夜明け前だということがわかった。
「うなされてた…」
「……っ……っ…」
俊輔は心配そうにかがんであたしを見る。
止まらない涙は一層俊輔を不安にさせる。
「……どうしたんだよ…」
「…………みんな、みんな、離れていっちゃう…」
「…………え?」
あたしは俊輔にしがみつきながら、狂ったように言った。
「…玲も!お母さんもお父さんも…!俊輔も…!」
「…凛、落ち着い…」
「やだ!やだ!いなくならないで!」
「り…」
「玲!俊輔!」
いなくならないで!
玲!!俊輔!!
「凛!」
そう叫んで俊輔は泣きじゃくるあたしを抱き締めた。
「…しゅ…ん…す…け…?」
「俺はいなくならない!大丈夫だ!大丈夫!お前のそばにいるから!」
あたしをぎゅっと強く抱き締め続けながら、俊輔は叫んでみせる。
「約束する!お前のそばにずっといる!」
俊輔はそう言うと、いきなりあたしのからだを離した。
「……大丈夫…」
泣くあたしの瞳と心配そうな俊輔の瞳が重なり合う。
そして、あたしたちはどちらともなく、キスをした。