100回目の告白



こうしたほうが教えやすいのだ。
玲はこうやって教えてくれたから。


「ちょっと!俊輔!起きなさいよ」
「……ん…」


あたしがからだをゆさぶると、俊輔はようやくからだをおこした。


「…凛…弁当食べ終えたあと、どこにいったかと思ったら」
「ごめんごめん。ひなたぼっこしてたら、いつの間にか眠っちゃってたの。だから、メールも電話も気付かなくて…ごめんね」
「…………べつにいーけど」


そうやって言うわりには、むすっとすねた表情でそっぽを向く俊輔。
…ちょっと可愛いかも。


「なぁにすねてんの」
「……すねてねーし」

あたしはクスクス笑いながら、カバンからペンケースを取り出し、シャーペンを握る。


「ハイ、やろう?ドコがわかんないの?」
「…ん~、ぜんぶ」
「は?アンタそれでも華恋家のお嬢様の専属執事なの?」
「うるせー」


あたしはお気に入りのシャーペンの芯を出して、自分のノートに公式を書いて教えていく。


「まず、問1ね」
「うん」
「ここは38ページの例題を見ながら解いたほうがいいよ。ここに公式がのってるから…ほらこれ。それでね、まずこの式を…」


パラパラとページをめくり、教科書の例題をみせながらひとつひとつていねいに教え込んだ。







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