100回目の告白



あたしの吐息と玲の吐息が混ざり合う。
まつげとまつげがくすぐりあう。


「…………………」
「…………っ……」


ゆっくりと玲の瞳はとじていってー…
ゆっくりと近づく玲の顔。
あたしは身をまかせるように、深く深く目を閉じた。


そしてあたしと玲はキスをした。
明日を見ないかのように。
…ううん。みたくなかったの。
だってあなたのいない明日になんてなりたくなかったから。
いらなかったから。


ただただ、くちびるを押し付けあった。
ていねいにていねいに玲はあたしにキスをした。


「…玲…っ」


すこしのすきまからあたしはあなたの名前を呼ぶ。
玲玲玲…っ


玲はいちども目を開けず、ただキスを繰り返した。


このとき、あたしの頭は玲でいっぱいだった。


…だから気付かなかったの。
誰よりも優しい足音が近づいてくることを。



優しくて大切なあなたの存在を。
…忘れかけていたの…




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