100回目の告白
『………っ…』
だけど、玲は言わなかったわけじゃなかったんだ。
言えなかった。言いたくなかった。
あたしが泣くのをわかっていたから。
次に玲から出たのは信じられない言葉。
『…もう、いい加減にしてよ』
あたしは声を出せなかった。
『……もう、疲れるんだよね。泣れたらどうにかしなきゃいけないって思っちゃうんだよ。そういうのめんどくさい。キスも、したくない女なんかとしちゃって気持ち悪いし、抱きしめんのもいちいちめんどくさい。まず俺は凛のこと好きだって言ったけど、なかなか返事くれなかったから愛想つかした。もう冷めてんの。全然好きじゃないから。むしろ嫌いだし。わかる?』
玲は息つぐ暇もないくらいに言った。
「…………」
『そんだけ!じゃーね!』
携帯は手からずり落ち、床に落下した。
それと同時に玲からの通話が切れた。
一方的に言われた文句と一方的に切られた電話。
両方が信じられずあたしはただ呆然とする。
―嫌い―
―めんどくさい―
―疲れる―
―気持ち悪い―
嫌な言葉が頭のなかで連呼する。
……ちがう!
ちがうちがうちがうちがう!!
玲の本心じゃないよね?
そうでしょう?