100回目の告白



そんなの…
ひどすぎる…!


気持ち悪い、とか。
嫌い、とか。
めんどくさい、とか。
疲れる、とか。


そんな言葉、簡単に相手にいっちゃいけないとおもう。

それが相手の一生の心のキズになることもあるんだから。
それで相手がトラウマになったんだったらなおさらだ。

あたしは“別れ”がトラウマ。
“別れ”がトラウマになったのは紛れもない玲のせいで。
振るにしたって、はなれるにしたって別れにしたって他にもっと方法があったと思う。


なのに、その玲に。
何でここまで言われなきゃならないんだろう。


どんなにあたしを嫌って待ちくたびれて、飽きたとしても。
人の前を去るときには礼儀ってもんがある。
玲の場合、仕事にもプライベートにも関係があるんだから。



自分にそう言い聞かせることで、あたしは自分を保っていた。



その夜、そのことを思い出さないかのようにして、しんだように眠った。





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