100回目の告白
やっと繋がった道
俊輔と歩いていくと決めた。
あたしは、この手を離さない。
何があっても―
「りーんっ!」
だけど学校へは行けなかった。
「今日はどこにいく?」
付き合うことになってから俊輔とあたしは常に一緒にいるようになった。
「んー、海!」
「おっしゃ!んじゃ海いこっ!」
そうと決まったらあたしたちは即行動派。
服を着替えてタクシーで駅へ。
電車を何回も乗り継いで、県外へ。
「俊輔、ほんとにつくわけ?」
「大丈夫!俺が家族と何回もきた海だから」
笑顔で振り向いて俊輔は言う。
太陽と重なってまぶしかった。
俊輔が遠くにいった感じがした。
あたしはどんなに頑張っても、あんな風に笑えない。
輝けない。
「……俊輔」
「んー?なにっ?」
嬉しそうに笑いながら俊輔は振り向く。
輝く。輝いている。きらきら、きらきら…
手の届かない場所にいる俊輔。
じゃあどうして、いま手を握ってるの…?
この手は、誰の手?
あたしは握ってる手にぎゅっと力を込めた。