100回目の告白
「凛…?」
「俊輔…?」
「なにいってんだよ、当たり前だろ!」
まぶしくて額に手をあてながら聞くと、にかっと笑ってあたしの手をさらにぎゅっと強く握った。
…そうだよね。
俊輔は、あたしから離れていかないよね…?
「つーいーた!」
「……わっ、すごっ!」
真っ青な海と白い砂浜。
こんなところがあったなんて。
真っ青な海を見ていると、全ての気持ちが洗われていくようだった。
「いまの時期に入ったら風邪ひくから入んなよ。それとこれ着て」
俊輔はあたしのピンクのダウンジャケットを差し出し、着るように言った。
あたしが着るとフードをたてて、白の耳当てを渡した。
かぽっと耳当てをかぶると暖かかった。
「おし。んじゃ遊んでよし!」
「海ーっ」
「入んなよー、見るだけな!」
あたしは海岸沿いを歩いてみた。
砂に足をとらわれて、歩きにくい。
俊輔がくれたダウンと耳当てのおかげでさむさはあまりなかった。
「………はぁ」
白い息を吐いて、手をくちもとにもっていく。
感じていないと思ったはずの寒さは手がマヒしていただけだった。
真っ赤な手に息を吹きかけながら、砂浜にしゃがみこんだ。
海岸をみるとブルーの石が落ちていた。
「…なにこれ…綺麗じゃん…」
あたしは水のなかに手を入れ、それを取り出した。
「……………」
太陽にかざすときらきら宝石みたいに輝いた。
あたしはそれを握りしめて、石の上に座っている俊輔のところまで走った。
「どうしたー?走るとこけるぞー」
にぎやかに笑いながら俊輔は言った。
「手、真っ赤じゃん。ごめんな、手袋も用意しとけばよかったな。鼻も真っ赤じゃん…ほんとにごめんな」
俊輔は手を握ろうとしてあたしがなにかを握ってることに気付いた。
「何握ってんだ?」
その問いかけと共にゆっくり手をひらいていった。