100回目の告白



「…ふふっ♪」
「なぁんだよ?」


俊輔が文句を言っても、あたしはかまわず笑い続けた。


同じとこにあけて、同じとこにある、同じピアス。


なんか…嬉しい。
あたしって単純なのかな…
ガキみたい?


まあ何でもいいや。
嬉しいから。



あたしたちは鼻唄をうたいながら、電車に乗って海をあとにした。


「凜、いいかー帰ったらそのまま風呂いけよ~」
「はーいっ」


あたしは笑顔で元気に返事をした。


「ん。よし。ならまだ時間かかるから寝とけ。着いたら起こしてやる」
「えっ、いいから!」
「ダメ」


俊輔は自分の上着を脱いだ。
そしてあたしの肩を引き寄せて自分にもたれかかせると、その上に自分の上着をあたしにかけた。


「しゅん…」
「はやくねろ」


そう言ったきり、俊輔は黙って下を向き、目をつぶった。
ねてるのかな?と思いつつ、下からのぞきこんだが、ねているかどうかはわからなかった。


あたしもあきらめて目をつぶった。
耳のリングピアスをさわりながら…





< 95 / 196 >

この作品をシェア

pagetop