月のお姫様




「…ねぇ、ねぇ君…大丈夫?」
僕は無意識に話し掛けていた

やはり人だったらしく
呼びかけに応えるようにもぞっと動いた

「大丈夫じゃないかも…」
その人からいきなり声がした。高い女の子のような声


「どうしたの?」

「おなかが……」

「お腹がどうかしたの?ていうかねぇ君大丈夫なの?」


「うるさいっ…おなかがすいた…」


か弱く囁いた女の子はそのまま意識を失ったようだ

大丈夫だよな…?死んでないよな……?


一応脈はある

放置するのもかわいそうだし家につれて帰ることにした


よく見たら変な格好をしてる女の子だなぁと思いながら背負った
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