beside you
「佐田くんのお陰でね。あたし、一歩進むって決めてるの。」
「一歩?」
「うん。今までずっと悠が好きだった。でも好きって気持ちを思い出にしようって思うんだ。」
いつになるかはわからないけど。
どれくらいかかるかわからないけど。
でもいい思い出できるようになりたい。
「別に思い出になんてしようって考える必要ないだろ。」
「どうゆうこと?」
「思い出って自分が思い出にしようって決めたらなるもんじゃないだろ。思う存分あいつを好きでいればいいよ。それであいつ以上の男を見つけて初めて思い出になればいい。それまで俺がついててやるから。」
まっすぐにあたしを見て話す佐田くん。
佐田くんの言葉でまた気が楽になる。
「本当にありがとう。じゃ、いつになるかわからないけどそれまで佐田くんよろしくね!笑」
「ま、松井1人じゃまた次泣いたときオレンジジュース渡す奴がいないからな。」
「泣かないからっ!」