女子高生と詐欺と嘘
彼女に指定された場所は、高校近くの公園だった。
夕方と言っても陽は明るい。
公園を通り過ぎる学生が、時折ちらちらとこちらに視線を向ける。
煙草を携帯灰皿へ揉み消し、さすがに着替えてくれば良かったと溜め息一つ。
たまたま運悪く、ホスト仲間に一日だけのヘルプを頼まれていた為、今日は朝から夜仕様のスーツだった。
さすがに学校近くでこの格好は、不審がられても仕方ないだろう。
それでも、莉子ちゃんに会いたかった。
こんな感覚久しぶりだ。
まるで初恋みたいに。
恋って、こんな感じだっただろうか。
そんな自分の考えに苦笑していたら、視界に影が差した。
「奈槻、さん?」
「莉子ちゃん」
目の前には制服を着た彼女の姿。
高校の名前を聞いて、何となく予想はしていたが、制服を見て確信に変わった。
セーラー服でもブレザーでもないソレは、所謂お嬢様学校独自のものだ。
そりゃあ、十万なんか端金なんだろうな。
「この前と服装違うから、一瞬分からなかったです。…奈槻さんってホストなんですか?」
「いや、まぁ…そんなところ?」
確かに前回の服装は思いきりラフな格好だったし。
あまりにも変わりすぎだろう。
自分の計画性の無さに、ますます泣けてきた。
仕事も正直に言える訳がなく、ホスト確定。
「あ、あのさ。これ返しとく。実は俺も高科と連絡取れなくなっちゃってさ、だからこれ渡せないから…」
内ポケットから、この前貰った封筒を出して彼女に渡した。
もちろん中身は入った状態で。
夕方と言っても陽は明るい。
公園を通り過ぎる学生が、時折ちらちらとこちらに視線を向ける。
煙草を携帯灰皿へ揉み消し、さすがに着替えてくれば良かったと溜め息一つ。
たまたま運悪く、ホスト仲間に一日だけのヘルプを頼まれていた為、今日は朝から夜仕様のスーツだった。
さすがに学校近くでこの格好は、不審がられても仕方ないだろう。
それでも、莉子ちゃんに会いたかった。
こんな感覚久しぶりだ。
まるで初恋みたいに。
恋って、こんな感じだっただろうか。
そんな自分の考えに苦笑していたら、視界に影が差した。
「奈槻、さん?」
「莉子ちゃん」
目の前には制服を着た彼女の姿。
高校の名前を聞いて、何となく予想はしていたが、制服を見て確信に変わった。
セーラー服でもブレザーでもないソレは、所謂お嬢様学校独自のものだ。
そりゃあ、十万なんか端金なんだろうな。
「この前と服装違うから、一瞬分からなかったです。…奈槻さんってホストなんですか?」
「いや、まぁ…そんなところ?」
確かに前回の服装は思いきりラフな格好だったし。
あまりにも変わりすぎだろう。
自分の計画性の無さに、ますます泣けてきた。
仕事も正直に言える訳がなく、ホスト確定。
「あ、あのさ。これ返しとく。実は俺も高科と連絡取れなくなっちゃってさ、だからこれ渡せないから…」
内ポケットから、この前貰った封筒を出して彼女に渡した。
もちろん中身は入った状態で。