死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
ショーの時間まで、まだ時間があった。


私は昨日いた水槽の前に行き、腰を下ろし魚を見た。


いつきても、ここの場所は癒される。

時が止まった見たいで、静かだ。


悠々と泳ぐ魚達。


― 私もいつか、こんなふうに泳げたらなぁ…。


頭の中で、魚達と泳ぐ自分を想像した。



「来てくれたんだね」

突然後ろから、私に声を掛けてきた男性。

もちろん、昨日の彼だ。


声だけで、彼だと分かる私。
胸が高鳴った。

「いえ…。その、ヒマだったから…」
彼の顔もまともに見れずに、うつむく私に彼は
「いや。嬉しいな…」
ハハッと笑った。

優しい笑顔。

そんな優しい笑顔を見せられると、胸が張り裂けそうになって、堪らなく泣き出したくなる。


「いえ…」
精一杯の声で、言った。

それ以上話すと、涙を堪えるコトが出来なくなりそうだったから。


「じゃ、また後で。ゆっくり見てって下さい」
私に手を振り、彼は行ってしまった。





「あっ、あの!」




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