死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
「そ、そうじゃなくて、熱帯魚も食べるの?沖縄の人って…」

始めて見るカラフルな魚に興奮した私は、自分が思っていた以上に声が出ていた。


私の話しを聞いたお店の人やお客が、一瞬静まり返る。

そして一斉に皆、私を見て笑った。


「へっ?」
なんで笑われているのかが、分からなかった。


ナオヒロもお腹を抱えながら
「違うよ。ね、熱帯魚じゃなくて…ハハッ、県魚。県魚だよ…」
笑を堪えながら、私に説明した。


「ケンギョ…」
まだ納得のいかない私は、ナオヒロの言葉をおうむ返しした。


「まっ、いいから食べてみろ?ウマイぞ」
ナオヒロが、私に赤い魚を勧める。


出来れば食べたくなかった。

あまりにもカラフルすぎる魚を、私はしばらく見つめた。


周りでは、皆、私の様子を伺っている。


どうやら、食べなくてはいけない雰囲気らしい…。


冷や汗が流れた。





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