死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
部屋に入るなり、ベッドに倒れた。


動けるまで、もう少し時間が掛かるらしい。

ふーっ。
大きなため息を一つ吐いた。


あっ。
思い出した様に、バックから一枚の紙を探す。

― あった…

その小さなメモ用紙には、ナオヒロの几帳面な文字で携帯No.とアドレスが書いてあった。

お店に入るなり、『番号交換しない?』とナオヒロ言われたのだ。

躊躇う私に、ナオヒロがさっさと手渡してきた、この紙。


女の人に慣れている感じがした。


― モテるよなぁ。かっこいいもん。それに、優しいし…。

私なんてナオヒロからしてみれば、その他大勢の中の一人…か。

ナオヒロの几帳面な文字を見ながら、思う私。


― この人は、私の最後の友達だろうか…
それとも、恋の相手にしてくれるのかなぁ?

たとえ遊びだとしても、私はそれでも良かった。

いや、その方がお互いに後腐れなく別れられる。

ナオヒロにも、迷惑が掛からない。


ナオヒロの几帳面な文字を見ながら、色々なコトを思った。

すると急に淋しさが私を襲う。

涙が止まらなくなった。




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