死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
『いつでもいい、何かあったらスグに携帯鳴らせなぁ』

タクシーの中でも、部屋の前でも、ナオヒロが心配そうに何度も私に言ってくれた言葉。

タクシーの中では、震える私の体を何度もさすってくれていた、ナオヒロ。


ナオヒロの温かい手が、私の体に蘇る。



ナオヒロは、これからもそしてこの先も生きる人だ。


私は…


苦しい…。


苦しい…。


恋って、こんなに苦しいモノだったんだ…


忘れていたよ…


ナオヒロに会うまでは…


― もう、優しくしないでいて。ねぇ、お願い。


私にはもう、恋をするシカクなんてないんだから…


もう、優しくしないでいてね。


ナオヒロ…



堪えても堪えても、溢れる涙。


ナオヒロの几帳面な文字が涙で滲む。




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