死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
しばらくの間、二人は黙ったままだった。


英康としては、ナオヒロの為に反対をしていた。


あの紹介状を見るまでは、ナオヒロが彼女と付き合うのは賛成だった。

しかし、あの紹介状を見てしまったら反対せざるを得ない。

彼女もナオヒロも、傷付くことは分かっていた。

互いの将来の為に…

残酷だが、仕方がない。


本当は、英康も悔しくて悔しくて堪らなかった。

何故二人は、出会ってしまったのかと…


ナオヒロは気付いていなかったみたいだが、彼女も間違いなくナオヒロのことが好きだ。

それを必死に隠しているのは、やはり…


それならば恋愛ではなく、ただの友達か、一夜限りの遊びであってほしいが、ナオヒロも彼女もそんなタイプではないことぐらい、承知の英康だった。


もどかしく、やり場の無い気持ちが、怒りにと変わりおとな気もなくナオヒロを怒鳴ってしまった。


こういう時に人は、無力さを感じるのかと、英康は改めて知る。






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