死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
医師から末期ガンと聞かされてから数日後、抗がん剤と放射線治療の為、私は入院することになった。


実は、未だに信じられなかったのだ。

体は至って健康そのもの。


痛みだって、さほど気にならない程度の痛みだ。

時々襲う、体のダルさと目眩を気にしなければ…。


今すぐ走れ。と言われれば、走ることだって出来る。


― 私は本当に、死んじゃうのだろうか…


実感のないまま、辛い治療が始まる。


吐き気や目眩などの副作用はあったものの、髪の毛が抜けるなどといった症状は幸いなかった。


しかし、確実に体は蝕まれていた。


体重も、急激に減っていった。




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