死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
「俺で、大丈夫かな…」

「ん?」
英康は、ナオヒロの言った意味が分からなかった。


「カエデのこと、好きで好きでどうしようもない。昨日、初めて会っただけなのに。初めてなんだ…こんな気持ちになった人。もしカエデが、俺の最初の相手だと知った時、カエデに迷惑掛からないかな…」

「彼女のこと、好きなんだろ?」

うん。
と頷く、ナオヒロ。


「なら、その気持ちを大切にしろ。恋なんて、そこから始まるんだっ」

「ヒデさん、ありがとう…」
ナオヒロは英康の言葉に、堪えていた涙を流した。


「泣くな。男だろっ!」

「ヒデさんだって…」
ナオヒロは、英康を見て笑った。


「こ、これは…ち、違うっ!あ、汗だっ。ただの、汗だっ!」
慌てて涙を拭く、英康。



意を決したナオヒロは、握り締めていた封筒の中身を取り出した。



皆、ナオヒロを見守る。





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