死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
私はあの時、あのお店で紹介状を落としたコトに気付かなかったのだ。


ナオヒロには、この病気のコトを知られないように、必死で大丈夫なフリをして隠し通したかったから。


それでも、薬の効く時間は決まっている。

なんとかナオヒロに知られない様に、薬を飲みたかった。

そこにタイミング良く、ナオヒロがトイレに立ったスキに、私は慌てて薬を飲み、薬をしまった。

その時、紹介状がバックから落ちてしまった。


その紹介状が、まさか隠したい相手の手に渡るなんて…




私は、ナオヒロが好きだ。

でも、恋をするシカクなんて私にはない。

ナオヒロにも、迷惑が掛かるコトも分かっている。


それに事実を知った時、ナオヒロはもう未来のない私を抱いてくれるだろうか…


『お前の最後の男になりたくない』
と言って、逃げてしまうだろうか…

私は、怖かった。


そうナオヒロから、告げられるコトを…


現実問題、そうなのだから仕方ないのか…



― ナオちゃん、最後に出会えて嬉しかったよ…
私に優しくしてくれて、ありがと…


大好きだったよ…


なおちゃん…





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