死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-

Ⅳ:空、限りなく

ホテルの窓から見る夜の景色は、殺風景で何も見えなかった。


部屋にいる私の顔は、蒼白く不気味な程に、暗い窓に映し出される。


『もう、十分でしょう?』
窓に映る、蒼白い顔の私が問う。


「そうだね。もう、十分だね」
窓に映る私に話し掛けた。


ナオヒロに、何も告げずに帰るのは心苦しかった。

でもだからといって、ここに居続けても…

ナオヒロに会うたびに苦しい思いをする程、私にはもう体力も時間も無かった。


望まれない恋なら、このままナオヒロの前から消えた方がイイ。


恋から愛情に変わる前に…



涙が自然に溢れる。

ナオヒロのコトが、どうしようもない位い、私は好きになっていた。


― ナオちゃん。どうして、私達は出会ってしまったの?ナオちゃん…



沢山の想い出を、ありがと…



ナオちゃん…





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