死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
携帯が鳴った。


たぶん、母からだろう。
私のコトを心配して、毎日電話が掛かってくるのだ。

有り難いコトなのだが…



「あっ、お母さん?うん、大丈夫。元気だよ。うん。うん。明日にでも帰ろうかなって思ってる…。うん。時間が決まったら、連絡するから…。うん。はいはい。はぁ~い。はい。じゃ~、うん。分かってるって…。はいはい。はぁ~い。じゃ、おやすみなさい…」

― やっと、切れた…

心配するのは分かる。
でも、話しが長い長い。

― なんで母親と長電話をしなくちゃいけないんだ…


やっと切れた、母からの電話。

携帯を見ながら、私は文句を言った。


その携帯を、ポイッとベッドに投げた私は
「さっ、シャワーでも浴びよっと」
服を脱いだ。


その時、また携帯が鳴る。

「しつこいなぁ…」


脱ぎかけた服を、また一応着てベッドに投げた携帯を拾う。

「もしもし、お母さん?明日、時間が決まったら連絡するからって!」





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