死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
― 歩けなくなる前に、しておきたい。

そう思うコトが、日に日に増していく。


まだ元気な内に、やっておきたいコトが私にはあったからだ。



辛い治療が一旦終わる。
家で安静にするコトを余儀なくされる、毎日。

時々襲う、目眩と吐き気に堪える日々と、手放せない内服薬。


それでも私は、諦めなかった。

いや、諦めたくなかった。


私に残された、限られた時間と人生。

少しも無駄にはしたくない。

無駄にしたくなかった。


辛くて苦しい時、必ずと言ってイイ程、思い出す景色。


― 行きたいなぁ…。あの場所に…。




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