死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
次の日、ナオヒロは沖縄に帰っていった。


飛行機のに乗る数時間前、ナオヒロはカエデの病室に寄った。

数分でも、数秒でも、ナオヒロはカエデの顔を見たかったからだ。


「カエデ…」

「あっ、ナオちゃん…」

「起こしちゃったか?」

「大丈夫だよ」

「具合は?」

「うん、ヘーキ。それより、昨日はごめんね…」
照れ笑いしながら、私はナオヒロの掌を握り締めた。


「いいよ。俺こそ…」

ナオヒロの言葉をさえぎるように、私は話した。
たぶん『ゴメン…』って、謝る気がしたから。。。

「ねぇ、今度は絶対に南十字星を見に行こうね!約束だよ」
私はナオヒロに、指切りの仕草をした。

あ…?あぁ…。
ナオヒロは戸惑いながらも、私の小指に指を絡める。


― ずっと、このままでいたいね…
絡めた小指から、ナオヒロの体温が伝わる。


― カエデ。一緒にいたい。カエデとこうして、ずっと一緒にいたい…
細い指先に感じるカエデの体温を、ナオヒロは愛おしく思った。






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