死の使い方Ⅱ-W/z 4 U-
沖縄に来るこの日まで、家の中は大変だった。

もちろん、家族や親戚そして友達まで交え、皆、この私の一人旅を反対したのだった。


当たり前だけど…


それでも、死ぬ前に旅行に行かせて欲しいと懇願した。

誰かが着いて行くならと説得されたが、それでは意味が無い。

今まで旅行と言えば、誰かと一緒だった。

私は、一人で旅行をするというコトがなかったのだ。

なら、最後の想い出と最後の経験として、一人で旅行をさせてほしいと、みんなに頼み込んだのだ。


そこまでして、一人で旅行をする必要があるの?
と思われるかもしれない。


それでも私には、一人でやり遂げたと言う達成感が欲しかった。


誰かが一緒に行けば、必ずと言ってイイ程、私は甘えてしまう。

それに、私は病人なのよ。と言われてるみたいでイヤだった。

私のエゴなのかもしれないが…


家族に説得に説得を重ね、やっと今日に至ったのだ。





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