甘々注意報
乃愛は何も悪くねぇ…
それにあいつがしたキスなんてキスじゃねぇし…
「…あいつがしたのはキスじゃねぇ…」
まぁ、キスなんだけど…
キスだけどキスにしてほしくない
ようするに俺の嫉妬ってだけだけどな…
「藤森がしたのはキスにすんな…ムカつくから…つーか、自分が情けねぇ…」
藤森にはムカつく…
けど俺自身もムカつく…
乃愛を守るどころか傷付けた…マジ情けねぇし…
「私だって…ムカつくよ…」
え…?
「乃愛…?」
「私だって咲斗がほかの女の子といたら嫉妬くらいするもん…昔のことだってわかってても元カノにだって嫉妬するもん…」
嫉妬してくれてたのか…?
乃愛はどれだけ溜め込んでたんだ?
俺に何も言わないで一人で我慢してたのか…?
まったく気づかなかった…
「咲…斗…?」
乃愛の瞳から涙がこぼれた。
俺にはなんで泣き出したのかわからない
「乃愛…?どうした?」
「咲斗…私のこと嫌いになった?めんどくさいって思った?」
嫌いになるわけないし、めんどくさいなんて思わない。
つーか、何がめんどくさいんだ?
「何言ってんだ、嫌いにならないし、めんどくさいとも思ってねぇよ」