九我刑事の事件ノート【殺意のホテル】
「まず、犯人は双葉さんがくる前に係員用の部屋に忍び込んでいました。
双葉さんがプールに現れると、照明の遠隔操作用リモコンを持って双葉さんの前に現れ、刃物かなにかで双葉さんを脅します」
ここで湊が呼び出された。
「妹が双葉さん役、僕が犯人役です。
双葉さんは唯一の逃げ道である飛び込み台の階段に逃げました」
彼方は、刃物を持つフリをして湊にせまった。
「さて、刃物を持って迫られたらお前どうする?」
「抵抗する」
「そうそう。
実際、双葉さんも抵抗はしたのでしょう。
階段についた塗装の剥がれは、狭い階段の上で二人がもめた跡です。
しかし抵抗空しく、双葉さんは飛び込み台の上まで追い詰められた。」