九我刑事の事件ノート【殺意のホテル】
双葉はスラリとした身長に、くびれ膨らみがきちんとした身体を競技用水着に包んでいた。
やはり美容外科医なだけあって綺麗だなぁ。
…いや、美容外科医が一体どんなのかは知らない。
私とは縁のない世界だ。
双葉が飛び込み台からプールへと飛び込んだ。
あがった飛沫は少なく、素人ならば此方まで聞こえる「バシャァァン」という音も聞こえない。
その光景に思わず拍手する。
「すごーいっ!プロみたい!」
「彼女、水泳部だったらしいぞ。
いい機会だから教わってきたらどうだ、美容も一緒に」
「煩い黙れ余計なお世話!」
「怖や怖や」
何度も言うがこいつに言われたくはない。