九我刑事の事件ノート【殺意のホテル】
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「しあわせーっ!!」
私はスプーンを口に加えながら叫んでいた。
なにが幸せってスウィーツがそりゃもう旨い。
20種類のケーキとプリンとアイスとその他正式名がわからないけれど明らかに美味しそうなデザートの数々。
女の子がこれを喜ばないわけがない。
「よく食うな。
仮にもお前、男の前だぞ」
「誰のことかしら」
少食な兄は人ならざるモノを見るような目で私を眺めていたが、兄に気遣いは必要なし。
バイキングだからデザートは制覇する気満々だった。