九我刑事の事件ノート【殺意のホテル】



「兄さんできたー?」


「んー」



まだシャコシャコとブラシの音が聞こえている。


湊は部屋のカーテンを開け、テレビをつけた。



残念なことに、一番に映ったのは子供向け戦隊番組。

なんとかライダーがつく、あれ。


湊には話が難しくてよくわからない。

高校生にわからない話を小学生のガキどもが何故わかるのかつくづく疑問である。


画面の奥では、スプラッタな配色のなんとか怪人が嘆いていた。

「人間に、粗大ゴミに捨てられたぁ」


生きてるから生ゴミになるのかと問われたらどうするんだろう。


いや、生命体なんだからゴミに捨てることすらダメだろう。


しかし、死したペットの処理を市役所に尋ねると「ゴミ袋に入れて捨ててください」と返ってきたのでビックリである。


大丈夫、ペットでもきちんと焼いて弔ってくれるところはあるよ。




< 38 / 132 >

この作品をシェア

pagetop