九我刑事の事件ノート【殺意のホテル】
「湊ちゃんだよね、九我の妹さんの」
「え、は、はいっ」
見知らぬ人から名乗らずに名前を出されたらそりゃびっくりする。
現在私の目はぱちくり状態であろう。
「俺、九我と高校の同級生の八部大翔(ヤベ ヒロト)。
ここの従業員やってます。
よろしくね。」
ほほお、なんて感心したくもなる爽やか笑顔に、私はつい笑いがうつってしまった。
友達なのか、こいつと。
同じ環境で育ったくせになんて差だぁ。