九我刑事の事件ノート【殺意のホテル】



「湊ちゃんだよね、九我の妹さんの」


「え、は、はいっ」


見知らぬ人から名乗らずに名前を出されたらそりゃびっくりする。

現在私の目はぱちくり状態であろう。



「俺、九我と高校の同級生の八部大翔(ヤベ ヒロト)。

ここの従業員やってます。
よろしくね。」



ほほお、なんて感心したくもなる爽やか笑顔に、私はつい笑いがうつってしまった。

友達なのか、こいつと。

同じ環境で育ったくせになんて差だぁ。



< 9 / 132 >

この作品をシェア

pagetop