九我刑事の事件ノート【殺意のホテル】
五家宝凛には、単純な質問をひとつ。
「双葉さんですが、目薬はいつも持ち歩いていましたか」
五家宝は目を丸くして、少し間を置いてから答えた。
「はい。
最近目が乾燥するとかで、いつも持ち歩いていらっしゃいました。」
「どのタイミングでさすとか、聞いたことはありますか」
「起きてすぐとか、寝る前とか、読書の前とか。
目が乾燥したと思ったらとにかくさしていらっしゃいましたよ」
「そう。
ありがとうございました」