オフィスラブ〜‘えす’課長の秘密〜
消毒液が傷に染みる痛さに思わず目を背ける。
「い…っ」
「ごめんな」
「さわた、り課長?」
「ごめんな」
何度も私に謝る佐渡課長。
「俺が書類を忘れた所為で…」
「さわた――…」
‘佐渡課長’と言い終わる前に佐渡課長の指が私の唇に触れた。
「名前で呼んで」
「えっ」
「誰も見てないから…」
いいの?
と、佐渡課長の顔を見ると佐渡課長は笑って頷いた。
「と、朋くん」
駐車場とは言え、此処は仕事場であって。
「つぐ、大丈夫?」
まさかそんな場所で‘朋くん’と仕事場で呼べる日が来る何て思わなかった。