memory of heart
「なつはさん、どういうことですか?」

と聞こえた気がしたがもう答えたくない。世間のことは何も考えずただ星空を写したい。

何も言わずシャッターを切り続ける。

…何枚撮り続けたのだろうか。

ふぅと息を吐いたなつはは真を見た。

「ごめんね。今日は風強いから星が隠れちゃう前に撮りたくて」

見る?と尋ねると真は近くに来た。
デジタル画面に映し出されたのは小さく輝いている明るい星と周りに広がっているいくつかの小さな星だった。
遠くにある小さな星が画面上に大きく映し出される。
遠くにあって見えるか見えない小さな星をこんなにもはっきり見せてくれるカメラ。ほんとに現代文明には感謝だと思う。
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