memory of heart
「オレの名前は真。真実の真。って書きます」

「そう。で?なんであんたは私の名前を知っているの?」

「オレ、先輩が好きです」

「は?」

いきなりのことで私は眉をひそめた。
それより私が質問したことの答えになっていない。
どうして初対面の人に好きと言われたのだろうか。しかも相手が敬語で話しているということはコイツはこの間入学してきた1年生だ。

はっきり言って意味がわからない
「……なんで?」

詳しく教えてと言うと彼はまた困った顔をしながら笑った。

「さぁ?」

「さぁ?って…あんたね。」

「仕方ないっすよ。ビビビって来たんすから!!もしかしてこれが運命ってやつですか!?」

「あほらし…」

なんだかこの人と話すことが面倒な気がした。
何が運命だ。どこかのおとぎ話じゃあるまいし。

私は空を見上げてふぅっと息を吐いた。

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