空―鏡の秘密―
プロローグ
「空ちゃんっあぶない!!」
「えっ…………」
この日、ある意味わたしたちは離ればなれになり、一緒になった。
***
目が覚めると、病室の中。
「空ちゃんっ!目が覚めたのね?わたし、誰だか分かる?」
………あ、この人……
「…お…母さん…?」
「あぁ!良かった…!あのね、揺(ゆら)はまだ意識が戻らないのだけど…」
「…揺……?」
そんな名前、聞いたことない。
「…お母さん?揺って誰?」
「……えっ…?」
一瞬にして、お母さんの顔から血の気が引いていったように見えた。
「な…に言ってるの…?揺はあなたの…」
「お姉ちゃん!!」
わたしのベッドに走って来たのは、お母さんの妹、美桜子(みおこ)ちゃん。
「空ちゃん、あのね。空ちゃんは、今日からウチで暮らすの。」
「えっ……。どうして?」
「今はまだ言えないけど…空ちゃんのおうちは、お父さんもお母さんも共働きでしょう?」
「うん…」
「お父さんは単身赴任で遠くにいるし、お母さんもお仕事で帰ってこれないことが多いから、よくおばあちゃん家に行ってたよね?」
「うん……」