空―鏡の秘密―
(……でも、なんだろう?)
知ってるんだけど、思い出せない。
「…んー………」
必死に思い出そうとしていると、ルビーみたいな瞳の女の人がわたしを見て、はっとしたような顔になる。
それから、わたしに駆け寄ってくるなり、
「……空…ちゃん!?」
そう叫んだ。
こんな人気者の生徒会メンバー様が、普通のわたしに話しかけるから、当然、ファンの視線はわたしと春華ちゃんに集中する。
…………ん?
(えっ…わたし、今「春華ちゃん」って……)
無意識に名前を呼んでいた。
「空ちゃんっ!私よ!春華!!…覚えてる?」
春華?
春華ってやっぱり……
「…は…、…春華…ちゃん…?」