アダルトチルドレン
世間話のような、ありきたりな質問にこの医者が信用出来なかった。

そして、結局言われた答えが、

「よくサラリーマンとかも疲れでなるから、1ヶ月も休めばよくなるよ」

だった…。

安心もなにもなく、こんなに辛いのになにも理解してくれない医者に腹がたった…。

「もうここはダメだ…」
そう思った…。

帰宅してから、母親にその事を話した。

母親は、
「病院だって、空いてる、混んでるあるんだから、ちゃんと選んで行かなきゃ駄目だね…」だった…。

杏里もそう思った…。
と、同時に医者との信頼関係がとれない病院は駄目だと思った。

それから、数日も外界に怯えながら生活した…。

唯一その中でも一人で運転してる時は平気だった。

気持ちの中で、自分一人の時に発作が起きても、周りに迷惑かけずに済むという意識があったからかもしれない…。

昔から人に頼ったり、甘えたりするのは苦手だったから。


何処にもでられないあたしを気遣って、母親が運転して気晴らしに出掛けていた…


その時にふと頭をよぎった…

昔、摂食障害になった時お世話になったメンタルクリニックを。

でも、そこは依存症専門だしどうかな?と思ったが、もうなんにでもすがりたい気持ちだったので、電話をしてみた…。


思い立ったら吉日なあたしはその足で病院に向かった。

数年前となにも変わってない病院。

医者も変わりなかった…。
「どうされました?」
そう言われたので、あった事を全て話した…。

話し終えた後で医者が一言…

「それは典型的なパニック障害です。」

あたしはすかさず、地元の医者で言われた事を話した。

すると、
「とんでもないね…それは気の毒だったね…だけど完治する病気だから薬を飲んで治療していこう」
そう医者に言われ、なんだろう、病名がついた事で安心したというかホッとしたというか、涙が込み上げてきた…。


< 33 / 43 >

この作品をシェア

pagetop