アダルトチルドレン
翌日、ホテルの人にタクシーを手配してもらい、家族やおばあちゃん合わせて五人でいったので、2台のタクシーで明洞に向かった…。


とにかく、コスメが安い。普段のあたしだったら飛びついてる商品でも飛びつけない自分がいた…

後先の事を考えて、いくら安かろうがお金が自由に使えない。

母親や弟達が買い物を楽しむなか、一人だけ楽しめないでいる杏里がいた。

自分が悲劇のヒロインのようで情けなく、帰りたいし見たくもないし、気分ものらなかった…。

調子も余りよくなかったので、カフェで休憩し、またタクシーを捕まえて、東大門まで向かう事にした。

だけど韓国語が話せる訳もなく、離れ離れに下ろされてしまった為、広い市場の中で弟達を探す事は困難だった…

離れ離れになり、買い物どころじゃない…

そこでも頭ん中はパニックだ…。

電話をかけてみても、国番号やらなんやらわからず連絡もとれやしない。

現地人に話しかけても、言葉通じず、とりあえず1番目立つ位置にたってみた…。

そしたら、
「杏里」

皆の声が聞こえた…。こんな広い市場の中で再開できた。

もうなんとも言えない気分と疲れで、嬉しいんやら悲しいんやら…

とりあえず屋台が有名なので、屋台で食事をし、その辺をぷらつき、今度はお土産が買いたいのでソウル市街に移動する事にした。

また別の場所でおろされちゃかなわないので、タクシーを止めて話そうとするが一向にとまらない…

すると前から歩いてきた中年の叔父さんが話し掛けてきた…。

なんだとおもいきや、日本語が少し話せるらしく行きたい場所を知らせるとタクシーを二台止めてくれて、どうやら同じ場所に向かうように運転手に話してくれたらしい。

ここで、また人の親切に触れた。

とおもいきや、目的地につくと、下ろした場所が微妙にズレてたらしく、またもや離れ離れ…。

「もうなんなの」と思いながらもブラブラしていたら、またもや再会できた。

運命って凄いな…って思った。
デカイショッピングセンターにはたくさんの物が溢れていた。

皆、個人個人買い物を楽しんでいた…。その中で一人だけ楽しめない杏里がいた。
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