兄と私と弟と。








家に入ると楓斗はすでに制服を着ていた。





「あれ、今日早いね?」




「ちょっとな‥‥‥それ、なに?」




「あ、コレ、新聞」




「もう一つのわ?」




「こっちは私宛ての」






楓斗は納得したような顔をするとリビングに入っていった。



お兄ちゃんは何してんのかな‥‥?




私たちはいつもバラバラの時間に活動している。

だから、誰が何をしているのかもどこにいるのかもわからない‥‥



ちょっと寂しいかな‥‥





すると手元にある封筒が目に入る。




封を開けると中には一枚の紙と写真らしきものが入っていた。



それをゆっくりと取り出してみる。




そして私は絶句してしまう






「なに、これ‥‥‥‥」





落としてしまった私宛ての手紙



無残に散らばる写真



思わず後ずさりしてしまう






「零音‥‥?」




リビングから楓斗の声がした



コレ‥見られたらマズいよね?




慌ててかき集めるとすぐに部屋に向かった。















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