兄と私と弟と。
「零音、心配しなくてもいいよ。俺が零音を守るからさ」
そう言って私のまぶたに軽くキスをしてから、涙を拭ってくれた。
楓斗‥優しすぎるよ
初めて人の優しさに感じられた瞬間だった。
こんなに胸が苦しいのは、どうしてなのかな?
心拍数が速くなるにつれ、私は楓斗に対する感情が大きくなっていくような気がした。
「楓斗‥大好き‥‥」
「なんか言った?」
「ううん、なにもないよ!」
そしてにこっと微笑んで見せた。