兄と私と弟と。
そんな春美チャンに
私も微笑みかえす。
すると春美チャンは
安心したように
私の手を握った。
「ちょっと来てッ」
「あ、うん!」
春美チャンと手をつないで教室を出る。
連れてこられたのは誰もいない廊下だった。
「零音チャン‥実はね‥」
「‥なに?」
嵐のように心臓が騒ぐ。
言葉がウマくでない
どうしてだろう
まだ春美チャンは
何も言ってないのに。
「少しの間‥零音チャンとあえないかもしれないんだ‥‥」
ふっと微笑んだ春美チャンの顔は、とても辛そうで、頑張っている顔で
「だから‥コレ‥」
微かに震えていた手に握っていたのは
「お守りだよ‥‥♪」
淡いピンク色の
可愛らしいお守り。