兄と私と弟と。








そんな春美チャンに


私も微笑みかえす。





すると春美チャンは

安心したように

私の手を握った。





「ちょっと来てッ」




「あ、うん!」





春美チャンと手をつないで教室を出る。





連れてこられたのは誰もいない廊下だった。






「零音チャン‥実はね‥」





「‥なに?」






嵐のように心臓が騒ぐ。


言葉がウマくでない



どうしてだろう



まだ春美チャンは


何も言ってないのに。






「少しの間‥零音チャンとあえないかもしれないんだ‥‥」




ふっと微笑んだ春美チャンの顔は、とても辛そうで、頑張っている顔で





「だから‥コレ‥」





微かに震えていた手に握っていたのは





「お守りだよ‥‥♪」






淡いピンク色の

可愛らしいお守り。













< 153 / 312 >

この作品をシェア

pagetop