兄と私と弟と。







すこしたってから


電車は街につく。




久々に来た都会は

私には似合わないくらい


賑わい、派手だった。






楓斗と一緒に来てよかったぁ‥‥



私1人だとなんか‥

悲しい子みたいだよ





「ついたっ」




「あ、え!?いつの間に‥」




このときもまだ

楓斗と握った手は

繋がれたまま。




モールに入ると

そこは涼しくて

かつ、人が多い。




「俺、人ごみ苦手w」




「ごめんね‥」




「謝んなよw‥行こ?」



また握られる手


この腕にしがみつきたい。




でも私にはそんな権利‥




「ぁ‥このショップ‥」




昔、由奈とよく来た服屋だ‥‥。




「ちょっといい?」




「ん、いいよ」




だれかに背中を押されるみたいに、身体が勝手に動く。



この服‥可愛い



小花柄のフリルのついたグレーのミニワンピ。


鏡の前であわしてみる




「すっごくお似合いですー!試着されますか?」



「ぁ、はいっ」





――数分後




「わあ!可愛すぎですぅ!彼氏さんも来てくださいよっ」






え‥‥?


彼氏さん‥?




「はっ!?あー‥いいんじゃない!?」




楓斗の顔、赤い

どうしてかな‥?




「あ、じゃあコレ買います」




「ありがとうございますっ」




明るくて可愛らしいショップの店員さん

私もこんな風になれたらな‥‥















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