兄と私と弟と。






午後4時
西日が射す暑い時間。


ギュッと力を入れていた手が汗ばんでいた。




2人の陽炎



私はそれをずっと見詰めながらひたすら歩いた。





『ねぇ、貴方使わされてるのよ』




‥‥‥え?




陽炎から聞こえた気がした‥‥なんて、幻聴だよね。






使わされてる、か‥‥




それでもいいのかもしれないよ‥‥。



私が役に立つなら


必要とされてるんなら



それで構わない。




むしろ嬉しいんだよ














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