兄と私と弟と。






お母さんは



私の好きな物、知ってる?



好きな食べ物知ってる?

好きな動物知ってる?


好きな人‥知ってる?






目の前の人が遠くなる。



一億光年たっても

届かない人みたいに。







「零音っ!」




お兄ちゃんは振り返って私の元に駆け寄った。




「なにボーっとしてんだよ‥‥行くぞ」




ギュッと手を握られた。



冷房の効いたスーパーの中で繋がれた手は、温かくて、心拍数も上がってた。
















< 221 / 312 >

この作品をシェア

pagetop