兄と私と弟と。
お母さん
アナタはなにも知らない。
私の服の好みも
私が食べたい物も
楓斗がエビを食べたら呼吸困難起こすことも
お兄ちゃんが行きたかった進路も
なにも
なにも知らないよ。
たった数週間だけ帰ってきたくせに‥なによ。
「零音!昴から離れなさいっ!!!!」
私の唯一の母とも言えるだろうドアの前に佇む女
その女の目は怒りやなにかに満ちていた。
「ちょ、母さ‥‥」
「昴。黙りなさい」
このトキの母は
いつもみたいにへらへらした人じゃなくて
「こんなコトをし始めたのはいつからなの?」
答えちゃ駄目、だよ‥。
言い訳しなくちゃ全てが終わる。