兄と私と弟と。
「あの、さ‥零音、帰りたいんだろ?」
「‥‥ぇ?」
いまなんて言った?
パッと顔をあげて真を見る。
私ってほんと気まぐれ。
都合のいいときだけ‥‥
「明後日の午後の便のチケット‥‥受け取ってほしい」
「な、なに言って‥‥」
「俺さ‥前に零音に再会したときスゲェ嬉しくて‥。ぜんぶ壊したくなったんだよ」
真は私から目を反らさない
「だからあんなこと‥」
そうだ。
あの時の真はいまと違って‥‥怖かった。
「でもお前、好きな奴いんだろ?」
真‥どうしてわかるの。
私、楓斗のコト好きだよ
頭が可笑しくなりそうなくらい、楓斗が好き。