兄と私と弟と。







「あの、さ‥零音、帰りたいんだろ?」




「‥‥ぇ?」




いまなんて言った?

パッと顔をあげて真を見る。

私ってほんと気まぐれ。


都合のいいときだけ‥‥




「明後日の午後の便のチケット‥‥受け取ってほしい」




「な、なに言って‥‥」



「俺さ‥前に零音に再会したときスゲェ嬉しくて‥。ぜんぶ壊したくなったんだよ」




真は私から目を反らさない



「だからあんなこと‥」



そうだ。

あの時の真はいまと違って‥‥怖かった。




「でもお前、好きな奴いんだろ?」




真‥どうしてわかるの。
私、楓斗のコト好きだよ

頭が可笑しくなりそうなくらい、楓斗が好き。

















< 266 / 312 >

この作品をシェア

pagetop