兄と私と弟と。







暗くて見えないけど‥‥













その姿は明らかに


楓斗の姿じゃなかった。














「あ、あの!なにかあったんですか‥‥?」




相手は女の人っぽい。


日本語が通じるといいんだけど‥‥‥。




「あ、アナタ‥‥!」




いきなり肩を掴まれる。




「もう終わりよ私たちは終わるのっ‥‥ハァ、ハァ‥‥もう‥ぜん、ぶ‥‥」



な、なに?


すごいみんな混乱している?




「落ち着いてください!なにがあったんですか!?」





いやな予感がした。




それは物凄くいやな予感で、冷や汗が止まらない。




「この飛行機‥‥」





私の予感なんていっつも的中したことがないから大丈夫。



そう願ってる‥‥。




じゃないと‥私、‥‥






「飛行機、が‥‥っ」




女の人の声はすごく細くて震えてて、いまにも消えてしまいそうな声。





これ以上聞いちゃいけない







「っっ‥‥‥」














ねぇ楓斗









最後に会いたかったよ。



















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