兄と私と弟と。







握っていた手の指が動く






「ふ‥‥ぅと‥‥ぁぃ‥たぃ‥‥」




「零音!起きろって!」



「ふ‥うと‥‥‥」





曖昧だけど




確かに零音の瞳は開いていた。






「俺のこと‥わかる?」




泣きそうになった。


でも泣いてらんねぇし



微笑みかけるのが精一杯だった。





すると零音も







いつもみたいな





優しく笑いかけた。




















< 302 / 312 >

この作品をシェア

pagetop